大丈夫

昨日、久しぶりに家族で出かけて実家に泊まった。

実家では大好きな映画のDVDをみんなに観せて私が1人で騒いだり、妹とゲームをしたり、母親ともう1人の妹を交えてトランプで遊んでいたのだけれど、次第に会話の雲ゆきが怪しくなり妹が「仕事をしたくない」と言って泣き出した。

その話を聞いたとき、仕事は辛いけど続けられてる自分は偉いのだと肯定されたような 救われたような そんな気分になった。こんな感情気持ち悪いなと思う。

私は小学生の妹と顔を見合わせてから、席を離れて再びテレビゲームをして遊んだ。

その後は3人で川の字になって眠った。



朝6時に目が覚めた。もう眠れなさそうだったので本を開いたり猫を探しに行ったり金魚を眺めたりしていると、父親が車で家まで送ってくれると言ったので私はぎこちなく返事をして車に乗り込んだ。


父親がコーヒー飲まない?と言ってコンビニに車を止めた。

私たちはパンと熱いコーヒーを持って再び車に乗り込む。

父親は車内で「粉の砂糖は熱いコーヒー用、シロップは冷たいコーヒー用じゃない?」「なんか変な人いっぱいいるけどイベントでもあるのか?」といくつか私に質問をした。

父親は普段、話のきっかけを自分で作る人ではない。私は少し照れくさくなりながらも質問に答えた。

熱いコーヒーから漂う白い湯気と香りで満ちたこの空間が心地よかった。大きく深呼吸をした。


いつものように「ありがとう」と言って車の扉を閉めて、階段を登る。

昨日の夜、伸びすぎた前髪を切ったせいで視界が広くなったことを思い出して、なんか全部、大丈夫な気がした。